THE NIIGATA BANDAIJIMA ART MUSEUM

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THE NIIGATA BANDAIJIMA ART MUSEUM

会場限定グッズ:模様をテーマに作ったブリュック・キューブ(終了)

会場限定の特別グッズ。

実は、もうひとつありました。

ルート・ブリュック ☓ LAMB’S EAR POTTERY
「BRYK CUBE(ブリュック・キューブ)」

ルート・ブリュックの「模様」をテーマに制作されたオブジェ「BRYK CUBE(ブリュック・キューブ)」です。

ところが、ご紹介する前に、すべて完売となってしまいました。

ありがたいことにミュージアムショップに並べたそばから、お客様に手にとっていただき、次々と旅立っていきました。本当にあっという間でした。(お買い求めくださった皆様、誠にありがとうございました)

というわけで、事後報告となり大変申し訳ないのですが、どんなコンセプトのグッズであったかをこちらでご紹介させてください。

※追加生産の予定はございません。

 

まるで絵を描くように、
楽しく模様をつけていった。

実は今回、3組のクリエイター(ブランド)と一緒に制作した会場限定のグッズにはひとつのコンセプトがありました。それは、「ブリュックの色、形、模様をテーマに作ること」です。

例えば、アトリエシムラさんの色合わせストールと小裂の額装は「ブリュックの色」、HIGASHIYAさんの特製落雁は「ブリュックの形」、そしてブリュック・キューブは「ブリュックの模様」をテーマに、それぞれの表現で作っていただきました。

キューブの制作者であるLAMB’S EAR POTTERY(ラムズ・イヤー・ポタリー)の柴山香織さんは、岐阜県で器や照明などを中心に制作している陶芸作家です。フィンランド陶芸の世界を知るなかでルート・ブリュックの作品と出会い、「自分の好きなパウル・クレーの作品を思わせる図柄もあり、独特の色合いや雰囲気に惹かれた」といいます。

キューブを作るにあたって、柴山さんは、ブリュックが用いた鋳込み成形の技法を使わず、手びねりでひとつずつ四角い形を作りました。今回のグッズ制作においては、そのほうがより自由度が高く、サイズや形もひとつひとつ変えることができるからです。また「作りながら土の重みを感じられる」ことも、柴山さんにとって大切な要素でした。

土についても、いくつかサンプルを作って岐阜県現代陶芸美術館の学芸員・山口敦子さんに相談をしながら、最終的に白土(半磁器)と、温かみを感じさせる荒目の信楽土を選びました。四角く整えた粘土の塊をある程度乾燥させてから、たくさんの道具を使って模様や線をつけていきます。その上に酸化金属や顔料を塗って拭き取り、焼成すると、模様が黒っぽく浮かび上がるのです。柴山さんは「イギリス留学時代に学んだ銅版画の作業にも似ていて、あの頃の、自由に絵を描いていくような感覚がよみがえりました」といいます。

あるキューブにはブリュックの模様をそっと忍ばせ、あるキューブにはブリュックとは全然違う模様を入れて。「無心になって作り続けるうちに、これはブリュックの模様なのか、自分の模様なのか、感覚が混ざってきてしまうようでした」と柴山さん。

さらに、「素直な気持ちで取り組むことができて、とても楽しかったです。そして、陶芸にはもっと自由な表現の可能性があると改めて感じました」と話してくれました。そのように丁寧に作られたブリュック・キューブは、ひとつひとつに表情があり、個性が溢れています。

 

 

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