新潟散歩③旧齋藤家別邸

国指定名勝の「旧齋藤家別邸」は、明治から昭和初期にかけて新潟の三大財閥のひとつで、衆議院議員・貴族院議員を歴任した豪商・四代齋藤喜十郎が1918年（大正7年）に建てた別荘。

ちなみに本宅（現在は一部が白山公園内に移築）は近くにあったが、この別邸では国内外から訪れる客をもてなすために使われたという。

1300坪の敷地に広がる庭園と建物は、「庭屋一如」、すなわち一体のものとして設計。回遊式庭園は、東京から著名な作庭者を招き、約3年の歳月をかけて作られた。砂丘の地形を生かした築山や沢流れは、都会の中にあるとは思えない、人の手による見事な自然の風景を生み出している。

開放的な主屋から庭を眺めた時の風景画のような印象、西日を生かして庭全体を明るく見せる効果など、招かれた客は隅々まで尽くされた日本の庭園文化の粋を味わい、商都・新潟の繁栄ぶりにも感嘆したことであろう。

11月上旬〜中旬には、主屋の窓から美しい紅葉の景色が楽しめるという。

この辺りには、江戸末期から明治にかけて建てられた近代和風建築や洋館が数多く残っている。新潟市文化財の「旧小澤家住宅」もやはり庭が見事だということで、町歩きをしながら両家を見に行くというのも楽しそうだ。

国指定名勝 旧齋藤家別邸
新潟県新潟市中央区西大畑町５７６
ＴＥＬ ０２５－２１０－８３５０
https://saitouke.jp/