「ヴェネチアの宮殿:リアルト橋」1953年
ヴェネチア、ずっと好きだった場所。
ブリュックは少女の頃からイタリアの美術や建築を愛していました。旅の多い父がフィレンツェやヴェネチアから送る絵葉書を眺めては、その町並みを思い描いていたブリュック。はじめて現地を訪れたのは、36歳の時でした。憧れの地で、ブリュックは一切スケッチなどはせず、ただただ心ゆくまで、全身でその場所を感じていたとか。 この鮮やかなターコイズブルーの作品は、ヴェネチアの建築を象った陶板シリーズ「ヴェネチアの宮殿」のなかのひとつ。リアルト橋は有名な観光名所ですが、ブリュックの心の目がとらえたまばゆい風景が、そのままセラミックの上に映しだされているようです。