「黄金の深淵」1969年
ハッとするような金色です。
とにかく迫力のあるゴールド。ピラミッド型のスタッズのようなピースは、ロックテイストを感じさせるかっこよさがあります。ブリュックの作品のなかでも異彩を放つ存在感です。
1960年代後半以降、ブリュックは小さなタイルを使って、さまざまな色調のモザイクレリーフを作っていきます。そのひとつが金色の釉薬を使ったシリーズです。
この金色の釉薬を使って、ブリュックは「レリーフ(イコン)」のシリーズも制作しました。イコンとはキリスト教、特に東方正教会で崇拝される聖像のことですが、ブリュックのイコンは愛らしい花柄の転写紙で飾られ、厳粛なイメージよりは軽やかで楽しげな印象の、おしゃれな作品です。(展覧会でご覧いただけます)