THE NIIGATA BANDAIJIMA ART MUSEUM

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夫ユッシがペストジェノヴェーゼのレシピを紹介します!

島塚絵里の「フィンランド、暮らしの楽しみ」(4)後半・ペストジェノベーゼ

ヘルシンキ在住のテキスタイルデザイナー、島塚絵里さんが、フィンランドからすてきな暮らしのエッセンスを届けてくれるコラムです。第4回目のテーマは「フィンランドの家事事情」。家のなかで過ごす時間の長いフィンランドの人たち、家事の分担はどうなっているのでしょう?

島塚絵里さん。Photo:Norio Kidera

第四回「フィンランドの家事事情」後半・ペストジェノベーゼ

家事が苦手なブリュック

フィンランドでは、家事も育児も、男女関係なく、生きていく上に必要な人間の仕事という感じでとらえられている。それは、この国では共稼ぎの家庭が多いという背景があるからかもしれない。

実は、ルート・ブリュックは家事が全くといっていいほど得意ではなかった、という。それに比べて、夫のタピオ・ヴィルカラは手が器用で料理も上手、家事もこなしていたようだ。娘のマーリアは「ルート(母)は実用的な人ではなかった」と笑って話してくれたのが印象的だった。

人それぞれ得意なことがあるのだから、夫婦間で臨機応変に対応できるのはいいな、と思った。ルートもタピオも今生きていたら、100歳を超える夫婦の話である。その時からすでに女性が働くことが推奨され、家事は男女で分担するという精神が芽生えていたのだと思うと、なかなか感慨深い。ルートは家事が苦手だった、という話を聞いて、私も少し親近感を覚えたのだった。

フィンランドの家庭事情

我が家では、家事は得意な方、もしくはスピードが早い方が担う、ということになっている。例えば、私は料理をするのが比較的早いので、夕ご飯は私が作ることが多く、夫のユッシは片付けを担当してくれる。夫は玉ねぎの細かいみじん切りやサーモンを薄くきれいにカットするのが上手なので、そういったことはお願いしている。

数年前、夫の大学時代のルームメートに、「料理は、ほぼ私がしている」という話をした際に、少し驚いた様子で、「ユッシは料理できないふりをしているかもしれないけど、本当はできるよ。たまには、ユッシにも料理してもらうといいよ」と笑って話してくれた。

フィンランドでは、高校を卒業すると同時に親元を離れて、一人暮らしかルームメートとシェアして暮らす場合が多い。その頃に家事を一通りできるようになるのである。

夫が料理できることは、私も知っている。とても丁寧で、とてもゆっくりなので、夫は休日などに料理を作るのが最適なのだ。私も料理をするのは好きで、さらに夫が片付けをしてくれるという素晴らしい条件付きなので、喜んでする。きっと夫婦の数だけ、その夫婦らしい家事のやり方が存在するのだと思うと面白い。

これから夫ユッシとアイラが食事の支度。今日は何を作るのでしょうか

夫ユッシのペストジェノベーゼ

時間のある時や、私の料理に飽きてしまった時は、夫の十八番、たっぷりのバジルをフリンストーンに登場しそうな石のすり鉢で丁寧にすって、ペストジェノベーゼを作ってくれる。

夫の得意料理は5つほどある。フィンランド家庭料理の定番マカロニラーティッコ、ギリシャのやぎチーズのサラダ、トナカイのシチュー、ズッキーニのラザーニャ。そして忘れてはいけないのが、プッラ(菓子パン)やパイ。天然酵母から作るパン、ブルーベリーがおいしい夏に作ってくれるブルーベリーパイ、焼きたてが格別においしいシナモンロール。そして時々作ってくれるおいしい焼き菓子の数々。それらが私たちの暮らしの中のささやかな楽しみのひとつなのだ。

今回はユッシの得意料理、ペストジェノベーゼの作り方をご紹介したい。イタリアが大好きだったというルート・ブリュックとタピオ・ヴィルカラ夫妻も食べていたかも!?

ペストジェノベーゼの作り方

材料(二人分):
バジルの葉 40g
松の実            20g
パルメザンチーズ 20g
塩   小さじ半分ほど(お好みで)
オリーブオイル 100dl
胡椒 少々
にんにく 一片の半分ほど(お好みで)

1 松の実をすり鉢でする。
2 そこにバジルの葉と細かくすりおろしたチーズ、すべての調味料を1に入れて、
全てすり合わせながら混ぜる。(ハンドブレンダーでも可能)
3 パスタを茹でる。
4 パスタの茹で汁を捨てた後の鍋に、2のペストと茹でたてのパスタを混ぜる。
できたてのうちに食べる。トマトやエビなどを入れて、アレンジしてもおいしいです。

ちなみにイタリア人の親戚であるピノおじさんからのアドバイスによると「パスタは待たない!」。ピノおじさんがパスタを作る時は、食卓に人が来るのも待たずに急いで食べはじめる。その様子をみて、パスタはできたてが一番美味しいので、すぐに食べないといけないのだ、ということを教わった。それ以来、我が家でもこの習慣を取り入れている。

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