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フィンランドで見られるブリュック作品:EMMA

18. AUG 2018

フィンランドで見られるルート・ブリュック作品を紹介するコラムです。

まず、やはり最初に訪れたいのが、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック(TWRB)財団の本拠地である、エスポー近代美術館(EMMA)。

ブリュック・コレクションの総本山というべきこの場所には、2017年11月に財団コレクションを収蔵するスペース「オーキオ(Aukio)」が誕生し、そこに行けば必ずブリュックの作品を見られるようになりました。また、ガラス張りの作業室のなかで行われている修復や撮影の様子を見学できます。展覧会とはまた違う雰囲気で、作品の一面を知ることのできる貴重な場所です。

オーキオ(Aukio)の作業室。見学者のために、作業中の作品も外向きに置かれる配慮が。

さて、このオーキオとは別に、EMMAの館内にはブリュックのある作品が常設されています。その作品とは、「水辺の摩天楼(Pilvenpiirtäjät veden äärellä)」(1983年)。ブリュックが夫のタピオ・ヴィルカラと共に米国・東海岸を旅した際、マンハッタンの景色にインスピレーションを受けて制作したという、水辺の都市シリーズのひとつです。

対岸に立ち並ぶ高層ビル群の夜景が水面に反射しているような、色彩と陰影が織りなす幻の未来都市のような世界。ブリュックは、フィンランドの壮大な自然も、大都市の摩天楼も、どちらも同じように特別な景色として眺めていたのかもしれません。

「水辺の摩天楼(Pilvenpiirtäjät veden äärellä)」(1983年)

作品が置かれているのは、EMMAミュージアムショップの左隣にあるレクチャールームの手前です。建築家アールノ・ルースヴォリが設計したこの個性的なコンクリート建築(1964年竣工)のなかでも特徴ある大きな柱のすぐそば。窓の外には、やはりフィンランドの建築家マッティ・スーロネン(Matti Suuronen, 1933-2013)の設計による常設作品「Futuro House」(60年代後半から70年代前半にかけて全世界に100以上もつくられました)が鎮座しています。そこに、ブリュックのレリーフが加わり、なんとも不思議な取り合わせです。三者による作品の対話を勝手に想像してみたくなります。

屋外に設置されたマッティ・スーロネンの「Futuro House」。EMMAのアイコン的存在。

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