MUSEUM OF MODERN CERAMIC ART, GIFU

EN

MUSEUM OF MODERN CERAMIC ART, GIFU

THE NIIGATA BANDAIJIMA ART MUSEUM

4歳になった娘のアイラ。パパが作るシナモンロールが大好物です

島塚絵里の「フィンランド、暮らしの楽しみ」(4)前半・シナモンロール

ヘルシンキ在住のテキスタイルデザイナー、島塚絵里さんが、フィンランドからすてきな暮らしのエッセンスを届けてくれるコラムです。第4回目のテーマは「フィンランドの家事事情」。家のなかで過ごす時間の長いフィンランドの人たち、家事の分担はどうなっているのでしょう?

島塚絵里さん。Photo:Norio Kidera

第四回「フィンランドの家事事情」前半・シナモンロール

34歳女性首相の手腕

小さな北国の政治が、話題を呼んでいることをご存知だろうか。フィンランドの現首相は34歳の女性で、連立政権全ての政党のリーダーが女性であるというニュースが世界を驚かせたのだ。

サンナ・マリン首相がイギリスのヴォーグ誌の表紙を飾ったことに、私の友人たちの多くも誇りに思っているようだった。世界が新型コロナウィルスで混乱しているが、フィンランドのリーダーたちは死亡者がまだ出ていないうちから、早めの規制を打ち出していた。

3月16日には緊急対策案を発表し、10名以上の集会は禁止、70歳以上の人には面会禁止、学校は自宅学習への切り替え、公営博物館・劇場・文化施設・図書館やスポーツ施設の閉鎖など、具体策を発表した。

女性リーダーたちがずらりと並んで記者会見をするシーンは、時代の変化を象徴しているようで圧巻だった。フィンランドの人々は、ルールを守る国民性からか、もともと人との距離を保つ傾向があるからか、冬が長いので家時間に慣れているからか、それほど大きな混乱はないように思う。

私たちもその発表以降は自宅で仕事をし、外出はスーパーと家の裏の森だけで、家族以外にはほぼ誰にも会わない生活を送っている。もちろん油断は禁物であるが、対策案が功を奏したのか、今のところ、死亡者の数も北欧諸国の中では少なく、医療崩壊も起きていない。

マリン首相は就任直後に緊急事態に直面してしまったが、国民を守るための的確な指示と決断力は評価されているように思う。

おうちで、夫ユッシの十八番「シナモンロール」を作ります。アイラもお手伝い!?

男女の平等な関係

フィンランドの女性は強く、たくましい。いや「強い」というと語弊があるかもしれない。むしろ、男女平等が進んでいて、男女ともに「自立している」という方がぴったりくる。

この国では、男性同様、女性が社会に出て活躍することがおおいに奨励されていている。西欧では「レディファースト」という概念があるけれど、フィンランドに暮らして10年以上になるが、そのような扱いは全くといっていいほど受けたことがない。

数年前、ヘルシンキに暮らしていた日本人の友人(男性)がトラムに乗っていた時、荷物をたくさん持って大変そうにしていたご婦人に「手伝いましょうか」と声をかけたところ、「自分で持てるので結構です!」と半ば叱られたという話を聞いて、思わず笑ってしまった。男女に限らず、できる限りのことは人に頼らず、自分でやるというのがこの国の美徳のような気がしている。

私はフィンランドに移住してから一度も、女性は女性らしく、そして、男性は男性らしく振舞うことを求められる場面に遭遇したことがない。男女が分け隔てなく仲が良く、比較的対等な関係を築いているのだ。

それは、私が13歳の時に1ヶ月フィンランドでホームステイをした時に受けた印象とあまり変わりない。その人らしくいることが最も大切で、みながその権利をリスペクトする土壌がある。それが、国連の調査で、3年間も「世界で最も幸せな国」として選ばれた秘密なのかもしれない。

謙虚でシャイな人が多いので、見るからにしあわせなオーラを放っている人はそうそういないのも事実だが、自分に正直に生きていることに「満足」している人が多いことが、幸せ度具合に反映しているのだと思う。

後半に続きます。夫ユッシさんのパスタレシピを紹介!

Share this article